みちびきL6受信用IC NEO-D9C / CLAS 走行テスト 時速50km以下

先日の静止状態でのテストで好結果が得られたので、移動した時にどうなるか調べました。
CLASはRTKに準じていますので、通常の移動速度では問題ない筈ですが、その確認と、衛星からの電波が瞬断した後の回復時間がどうなるかのチェックです。
受信機は先日のテストで使ったものと、通常のRTK用としてF9PX1の2台で行いました。

次の画像はそのテスト装置です。
アンテナはJCA228Eで、その出力をスプリッタで、RTK用と、CLASのD9CおよびF9P用の3本に分配しています。

走行ルートは三木市防災公園の周辺で、全域、オープンスカイで、時速は50km程度です。
次の画像はその結果で、CLASのデータを表示しています。
緑:Fix 黄:Float  紫:Differential 赤:Single

走行ルートの殆どでFixしていますが、右側の部分で少しFixしていないところがあります。
ここはルートの上に跨道橋があり、そこで衛星からの電波が瞬断しています。
次の画像はその跨道橋の部分です。
〇印はRTKで、△印がCLASです。

橋の下でDifferentialになり、RTKは3秒後にFixしていますが、CLASは13秒かかっています。
このFixに復帰する秒数は瞬断の度合いによって短くなり、別の橋では、CLASは5秒後にFixしています。
位置精度に関してはFixしていなくても1m程度の誤差で収まっているようです。

瞬断後の復帰にCLASはRTKに比べ少し時間がかかりますが、その間の誤差もそれほど大きくはないので、実用上の問題は少ないと思います。

次の画像はRTKとCLASのどちらもFixしている時の拡大画面で、位置が60cmほどずれています。


最初、何故ずれているのか分かりませんでしたが、色々調べた結果、RTKは元期座標、CLASは今期座標という、座標の基準日の違いによるものだと分かりました。

三木市の場合、元期は1997年1月1日で、今期は現在ですので、この60cmほどのずれは、その間のプレートの移動等による地殻変動を表しています。

今まで地殻変動はそれほど実感できなかったですが、このように座標の違いとして差が明瞭になると、動いているのだと実感できます。