みちびきL6受信用IC NEO-D9C(評価ボード C101-D9C)のテスト

NEO-D9Cの評価ボード「C101-D9C」が届きました。
早速、弊社のZED-F9P開発用ボードF9PX1と接続してみました。

アンテナはJCA228Eで、スプリッタで分けて、ZED-F9P用とNEO-D9C用のアンテナコネクタに接続しています。
アンテナの設置条件は静止状態でオープンスカイです。

配線は次のとおりで、F9PX1のUSBコネクタから電源を供給する設定になっています。
F9PX1 C101-D9C
TX2 <----> TX
RX2 <----> RX
GND <----> GND
V5V <----> 5V and PWR-EN
J6ジャンパは取り外し
もし、 C101-D9C の電源をUSBから供給する場合は、J12のジャンパを接続しないとTX,RXが有効になりません。

C101-D9Cの設定は、USBコネクタをパソコンに接続し、u-center(V21.09)で次の設定を行いました。
UBX > CFG > PRT > 2-UART2 > Protocol out = UBX , Baudrate = 38400
UBX > CFG > MSG > 02-73 RXM-QZSSL6 UART2 = 1  ←デフォルトで設定されていたので確認のみ。

上記の設定後、電源を入れると2分ほどでFixしました。
次の画像の中央のDeviation Mapは14時間ほど経過した時のもので、半径が約8cm程度の円内に収まっています。
CLASの精度は6cm(2DRMS)と言う事なので、ほぼ本来の精度が出ているようです。

NEO-D9Cにより、みちびきから受信したデータはUBX-RXM-QZSSL6という形式でZED-F9Pに送られます。
そのメッセージはNEO-D9Cをu-centerに接続すると確認する事ができます。
次の画像がその画面で、同時に2つの衛星から受信できるので、ChAとChBに分かれて表示されています。


それぞれのチャンネルのデータのうち、Error Status: が重要で、この値が Error-free の場合は正常に受信できています。
衛星の配置やアンテナの位置等により受信状態が悪くなると、”Corrected 5 errors”等の表示になり、エラー訂正された回数が表示されます。
さらに悪くなると ”Errorneous” の表示となり、受信ができていない事が分かります。
このエラー状態は C/N0[dBHz]; の値と関係があり、概ね次の感じです。
38dBHz以上:Error-free
35~38dBHz:Corrected n errors
35dBHz未満 : Errorneous

弊社のネットショップで販売しているアンテナでテストしたところ、多くのアンテナでFixしましたが、一部のアンテナはL6バンドの感度が低く、Fixしませんでした。
L6バンドはGalileoのE6バンドと同じ周波数なので、アンテナの受信バンドにE6が含まれるアンテナは大体使用できそうです。
ただ、RTKの場合と違い、アンテナの大きさなど基本的な性能が、Fixするかどうか、Fixするまでの秒数などに影響を与えやすいように感じました。

Fixするまでの時間はアンテナと衛星の配置により違い、20秒~3分程度で、3分を超えるとなかなかFixしませんでした。

RTKに比べると、Fixするまでの時間が長い、Fixしにくいなど問題もありますが、インターネットや無線通信などの環境無しで、単独でセンチメータ精度の測位ができるのは素晴らしい事だと思います。