X20PX1はu-bloxの多周波RTK受信用IC「ZED-X20P」を搭載していて、基準局や移動局等、RTKのシステムを開発するのに便利なボードです。次の画像はその外観ですが、GNSSアンテナ接続用のSMAコネクタと、USBのType-CおよびマイクロB型のコネクタが付いています。

このSMAコネクタにアンテナを接続し、USBケーブルをパソコンに接続すると、u-center2というWindowsのアプリでZED-X20Pからの測位データを取得する事が可能です。
1.アンテナ
X20PX1を使用するにはGPS/GNSSアンテナを接続する必要があります。
RTKはセンチメータ(cm)精度の測位ができる技術ですが、アンテナにより精度が出ない場合があります。
そのため、利用環境に合わせてアンテナを選択して下さい。。
cmの精度が出るためには、RTK受信機での測位演算でFix解が得られなければなりません。
このFix解が得られるかどうか、またどの程度早く得られるかは、GNSS衛星からの電波の数、受信強度、受信した電波の安定性など、アンテナの性能により変わってきます。
弊社のWEBショップではRTK用のアンテナを販売していますが、価格は千円台から2万円程度まで幅があります。
基本的にはアンテナの大きさが大きいほど受信感度が良くFix解が得られやすくなります。
しかし、移動局としては小型のアンテナの方がいいので、用途や予算により選択する必要があります。
ZED-X20PはL1,L2,L5,L6バンドに対応していますので、アンテナもそれらのバンドが受信できるアンテナを選択してください。
2.パソコンとの接続
X20PX1を使ってRTK-GNSS測位を行う基本的な方法は、パソコンと接続しu-center2というWindowsのアプリで行う方法です。
このボードにはType-CとマイクロBのUSBコネクタがありますが、通常はType-Cのコネクタを使ってパソコンと接続して下さい。
| コネクタ | 通信するZED-X20Pのインターフェース | 説明 |
| Type-C | UART1 | ファームウェアの書き換え等、ZED-X20の全ての機能にアクセスできます。 |
| マイクロB | USB | ファームウェアの書き換えができない等の制約があります。 |
Type-Cのコネクタでパソコンと接続すると、シリアルのCOMポートとして認識されますが、認識されない場合はFTDIのVCPドライバをインストールして下さい。
パソコンと接続後は、u-bloxのu-center2を使って設定や受信を行って下さい。
3.ステータスLED
ボードにはLEDが4個取り付けてあり、次の状態を表しています。
| 基板上の符号 | 色 | 項目 | 内容 |
| PWR | 緑 | 電源On | モジュールに電源が供給されている時に点灯します。 |
| TPS | 青 | 1秒毎パルス | GNSSの電波が受信できている時に1秒毎に点滅します。 |
| RTK | 赤 | RTKの状態 | 消灯:FIXしています。 点滅:補正データは受信しているがFixしていません。 点灯:補正データが来ていないなどです。 |
| GEO | 赤 | ジオフェンス | 設定した円の範囲に入った時に点灯もしくは消灯します。 どちらにするかはユーザが定義できます。 |
4.外部接続用ピンヘッダ
基板には11ピン(JP4)と7ピンのピンヘッダ(JP3)用端子があり、マイコン等とZED-X20Pを直接接続できます。
11ピン(JP4)
| 番号 | 基板上の符号 | 項目 | 入出力 | 内容 |
| 1 | GND | グラウンド | 入出力 | グラウンド |
| 2 | V5V | 電源 | 入出力 | 約5Vの電源の入出力端子 |
| 3 | TX | TX | 出力 | ZED-X20PのTXD/SPI_SDO端子 |
| 4 | RX | RX | 入力 | ZED-X20PのRXD/SPI_SDI端子 |
| 5 | SDA | SDA | 入出力 | ZED-X20PのSDA/SPI_CS_N端子 |
| 6 | SCL | SCL | 入力 | ZED-X20PのSCL/SPI_CLK端子 |
| 7 | RDY | TX_READY | 出力 | ZED-X20PのTX_READY端子 |
| 8 | RST | RESET | 入力 | ZED-X20PのRESET_N端子 |
| 9 | INT | EXTINT | 入力 | ZED-X20PのEXTINT端子 |
| 10 | TPS | TIMEPULSE | 出力 | ZED-X20PのTIMEPULSE端子 |
| 11 | SAF | SAFEBOOT | 入力 | ZED-X20PのSAFEBOOT_N端子 |
7ピン(JP3)
| 番号 | 基板上の符号 | 項目 | 入出力 | 内容 |
| 1 | GND | グラウンド | 入出力 | グラウンド |
| 2 | (無接続) | |||
| 3 | V5V | 電源 | 入出力 | 4V~5Vの電源の入出力端子 |
| 4 | GEO | GEO_STAT | 出力 | ZED-X20PのGEOFENSE_STAT端子 |
| 5 | RTK | RTK_STAT | 出力 | ZED-X20PのRTK_STAT端子 |
| 6 | RX2 | RX2 | 入力 | ZED-X20PのRXD2端子 |
| 7 | TX2 | TX2 | 出力 | ZED-X20PのTXD2端子 |
5.電源供給
ピンヘッダでマイコン等と接続する際、電源の電圧及び供給端子は次のとおりです。
| 供給電圧 | 接続端子 | 説明 |
| 約4V~5V | V5V | ダイオードを通して、ZED-X20P用の3.3Vレギュレータに接続されます。 |
6.マイコン等との接続
ZED-X20の43番ピンRXD/SPI_SDIは、通常はType-CのUSBコネクタと接続されていて、ピンヘッダのRX端子とは接続されていません。
マイコン等とUART1もしくはSPIで接続する場合は次の画像の赤枠にあるジャンパーピンをショートピン等でショートして下さい。

SPIでの接続
SPIで接続する場合は基板上での半田付けが必要です。
基板にあるSJ1の端子をショートする事により、ZED-X20PのSPI端子が有効になります。

7.その他
7.1 資料
回路図
ZED-X20Pデータシート
ZED-X20P Integration Manual
ZED-X20P Interface Description
8.保証について
この製品の保証期間は1年で、不具合があった場合は無償で修理もしくは交換致します。
但し、ピンヘッダーを通して電源供給やマイコンとの接続を行った場合、使用状況によっては保証できませんので接続には十分ご注意下さい。
