ZED-X20P開発用ボード X20PX1の試作

ZED-F9Pの後継機であるZED-X20Pの開発用ボードを試作しました。

基板は殆どZED-F9Pの開発用ボードF9PX1と同じですが、次の点が違います。
1.I2C用(Grove)コネクタが搭載されていません。
2.DCDCコンバータが非搭載となり、JP3コネクタのPWR端子がありません。
3.ZED-X20PのUART1をUSBに変換するICを搭載しています。コネクタはType-Cです。

ZED-X20Pのピン配置や機能はZED-F9Pと同じですので、F9PX1と同じ基板を使っても良かったのですが、ZED-X20PのUSBインターフェースは問題があります。
ZED-X20Pテストレポート」に詳細がありますが、ZED-X20Pの高速性を生かし、またファームウェアの更新を行うには、UART1を使った通信が必要です。
そのため、UART1<>USBブリッジ用のICとしてFTDIのFT234XDを追加しました。
このICにしたのは、u-bloxの評価用キットEVK-X20Pに採用されているので問題が少ないだろうと思ったからです。

UART1をUSBに使うと、このボードをマイコン等と接続する際、UART1が使えませんので、ジャンパーピンで切り替えるようにしました。
ジャンパーピンがオープンの場合はUART1はType-CのUSBインターフェースと接続され、ショートするとJP4コネクタのRXに接続されます。

以上のUSBブリッジを搭載した事と基板サイズや2.54mmピッチのコネクタ位置を変更しないようにしたため、I2CコネクタやDCDCコンバータが搭載できなくなった次第です。

動作テスト

次の画面はType-Cのコネクタでパソコンと接続し、RTK測位を25Hz更新で表示したものです。
Console Viewを見ると、GGAセンテンスが40msec毎=25Hz更新がされているのが分かります。

衛星はNAVICも受信できていますが、GLONASSは受信できていません。
データシートにGLONASSは記載されていないので仕方がないのですが、何らかの事情で使えないように設定してあるだけのようですので、解除される事を期待したいです。
信号強度の棒グラフは各衛星、各バンド毎に表示されていて、ZED-F9Pでは受信できなかったL5バンドも受信できるようになっています。

データ転送速度は1.06Mbpsと表示されています。
この速度はパソコンでは問題ないかもしれませんが、通常のマイコンと接続する際はNMEAセンテンスを限定するか、UBXで受信する必要がありそうです。

次の画面は40Hz更新を試したものです。
Console Viewの画面では時刻が25msec毎になっていて40Hz更新になっているのが確認できます。
ZED-X20Pテストレポート」では時刻は1msecの桁が表示されていなかったのですが、今回は表示されています。
何故表示されるようになったのか分かりません。
ボーレートは1.53Mbpsでオレンジ色(通信エラー)なので、このボードの限界となっています。
なお、仕様の範囲外でもあり、40Hz更新のデータがどこまで使えるのかは未確認です。

以上、ZED-F9Pより性能が向上した機能を確認しました。

この他に次の機能をテストし、正常に動作する事を確認しました。
1.ファームウェアのバージョンダウン/アップが正常にできる事
2.アンテナのショート、オープンが検知できる事
3.ジャンパーピンCN1をショートするとUART1のRXがJP4のRXに接続される事
4.バックアップ用電池が動作している事
5.マイクロBのUSBコネクタでの通信ができる事

アンテナのショート、オープンの検知機能に関しては「ZED-F9P RTK開発用ボードの試作」をご参照ください。

販売予定

この基板は12月第2週に弊社のネットショップで販売開始の予定です。
通常価格は43,000円(税抜き)ですが、初回50台限定の特別価格38,000円(税抜き)で販売する予定です。

関連資料

ZED-X20Pテストレポート

路図
部品配置図